それは運命だから・・・
「月くん・・・朝教室でも話したけど、僕には紫の犬という友達がいたんだ」
「・・・なんでそのことを僕に話すの?」
「なんでだろうね」
「・・・僕からいきます」

・・・シュッ!

グレープの手が物凄い速さでホウロウを狙い続ける。が、ホウロウはそれを見極めて全てよけている。
ホウロウは、かなりの上級者だ。

「ホウロウ・・・何のためにここまで強くなった?」
「お父様を超えるため。紫の犬を殺すように指示したのはお父様なんだ」
「へぇ・・・ホウロウはその犬をうらぎったんだ」
「・・・ちがう!」

・・・バシ!

グレープの右足が、ホウロウのお腹にヒットした。

「う・・・」
「なにがちがうの?その犬はきっとホウロウを憎んでいるよ?・・・殺したいくらいにね・・・」

「恨まれたって仕方ないよ・・・殺そうとして、アレンを傷つけたのだから」
「ふっ・・・分かっているじゃないか」

・・・周りでこの対戦を見ている人は、みんな言葉を失ってる。
超人的な両者の技に。


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