それは運命だから・・・
・・・ドス!
「ふぐぅ・・・ぐ・・」
ホウロウの口から血が滴り落ちる。

だけどみんな止めようとしない。・・・ってあれ?
さっきまでいたはずの人たちの姿がない。
「人払いの術ですぅ。ここからは、私たちだけですぅ」
・・・やるじゃねえか・・・ピーチ

「このくらいの痛み・・・我慢しなよ?」
「く・・・はぁ」
「アレンはきっともっと苦しかったよ?」
「・・・月くん・・・お前・・」
もう、戦って19分だ。犬についていくホウロウは凄いけどさすがにつかれたみたいだ。


「・・・アレン」
「何?」
「アレン・・・ごめんな・・・ごめんな」
「あやまってすむと・・・思うな!」

・・・・ガッ!
「くはぁッ!?」

戦っているグレープの目にはうっすらと涙がうかんでいる。

「お・・・まえ・・・アレンなんだろ?・・・その髪の色・・・僕の大好きな・・・色なんだ・・・この学校で会ったとき・・・アレンだって・・・おもった・・・
会えて・・・うれしい・・・生きててくれてうれしい・・・」

「今さら・・・なんだよ・・・」

「ごめん・・・ごめん・・・愛しいアレン・・・」

「・・・ッ」

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