それは運命だから・・・

ホウロウは傷ついた体でグレープを抱きしめる。
「ホウロウ・・・今の言葉信じていいんだね？」
「もちろんだよ・・・月くん・・いや、アレン・・・」

・・・以外な展開だ。でも、どう考えても一つ矛盾した点がある。

「ホウロウはグレー・・アレンのこと大切なんだろ？」
「はい」
「じゃあなんで裏切ったんだよ？」
「・・・仕方なかったんだ」
「・・聞きずてならんなぁ・・・命を奪おうとして仕方なかったやて？」
「本当に・・・そうするしか・・・。紫の犬は中国に伝わる伝説の犬です。そんな犬を僕が飼っているって、知られてしまったんだ。村の人に。するとお父様や僕に対するヒドイ嫌がらせや、畑を荒らされたりしたんだ。それで、紫の犬を殺そうと」

・・・ホウロウは・・・悪くないのか・・・

「こんなこと言ってごめんな・・・アレン」
「いえ・・・事情がわかったから・・・もういいよ」
「なんや！？グレープ！許すんか！？そいつを殺して、復讐するんやないのか！？おいグレープ！なんか言ったらどうなん・・・」
「キウイ・・・グレープが決めたことだから・・・」
「ちっ・・・」


「ホウロウ・・・今僕には、大切な仲間がいるんだ。その仲間は、何よりも大切なんだ・・・もう、あの頃とはちがうんだ。毎日が楽しくて・・・手に入れたいむくもりを今手にいれたんだ・・・ホウロウ」
「アレンにはもう仲間がいるんだね・・・分かった。安心した・・・。あ・・・もう帰らないと。じゃあ再見（サイツェン）・・・みなさん」

そう言うと、頬に一筋の涙を残し、さっていった。
ホウロウもきっと、ずっとさみしかったんだな・・・・