優しい魔王と優しい勇者の悲しいお話
「最近、王国の周りで魔王が現れ、たくさんの兵士や王族が殺されている!腕に自信がある者は何人でもかまわん!王国に集まれ!見事魔王を倒した者には王から褒美をつかわすとのおたっしだ!」
兵士は広げた紙を近くの壁に貼ると、さっさと帰って行きました。
戦いとは無縁の村の人たちは、不安げな顔をするだけで誰も王国に行こうとはしませんでした。
しかし少女だけは、顔は真っ青のままではあるものの、何かを決心したような表情をしていました。
少女は、確信していたのです。
兵士の言った魔王が、あの少年であることを。
兵士は広げた紙を近くの壁に貼ると、さっさと帰って行きました。
戦いとは無縁の村の人たちは、不安げな顔をするだけで誰も王国に行こうとはしませんでした。
しかし少女だけは、顔は真っ青のままではあるものの、何かを決心したような表情をしていました。
少女は、確信していたのです。
兵士の言った魔王が、あの少年であることを。