優しい魔王と優しい勇者の悲しいお話
少女は震える手で、冷たくなっていく魔王の体を抱きしめました。



泣かないと誓ったはずなのに、涙がとめどなく溢れてきました。



少女は魔王を抱きしめたまま泣き叫びました。



雨は、そんな少女の涙と声をかき消すかのように、少女の心を映すかのように、激しさをましていきました。
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