優しい魔王と優しい勇者の悲しいお話
少女の言葉に、周りが静まりかえりました。



みんな、何かの冗談かと思いましたが、少女の瞳は真剣でした。



「何故こんなことを…」



焦ったような王様に、少女はあざ笑うかのような笑みを向けました。



「何故?それはあなたが私たちから全てを奪ったからですよ、王様?今回の事件の全ては、あなたのせいなんですよ。」



「な…なにを…」



「昔話をしましょうか、王様。」



少女はゆっくりとこの事件のすべてについて話し出しました。
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