優しい魔王と優しい勇者の悲しいお話
「あなたはきっと、悲しんでるよね…ごめんね…ごめんね…」



少女は魔王の墓に向かって謝りました。



魔王は少女に人を殺してほしくはなかった。



ただ幸せに生きてほしかった。



少女は魔王の記憶を読み取ることで、そんな魔王の想いを理解していました。



しかし、それ以上に強い憎しみが少女を復讐へとかりたてました。



「きっと、許してはくれないわよね…もう、私には何もない…」



少女の虚ろな灰色の瞳からは、とめどなく涙が溢れました。



ああ、私はなんて醜いのだろう…許されたいと思うなんて…私はどうしたら…



『相変わらず泣き虫だな、お前は…』
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