優しい魔王と優しい勇者の悲しいお話
二人は涙を流しながら何度も何度も手紙を読み返しました。



不安だったのです。



少女をあんなふうにしてしまったのは、愛が足らなかったからではないだろうかと、信じてなどもらえていなかったからではないだろうかと…



でも、違いました。



少女はちゃんと二人のことを愛していました。
二人の愛を感じていました。



その事実がとても嬉しかったのです。



二人は、少女の幸福を心から願いました。
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