優しい魔王と優しい勇者の悲しいお話
少年は村の中に入っていき、自分の家の前で立ち止まりました。



少年は真っ黒な骨組みが残っているだけの家を見つめました。



少年は顔を苦しげに歪めながらも、決して泣くことはありませんでした。



少年は家だったものの中に入り、黒くなっている塊の傍によりました。



そして、それにそっと手をかざしました。



それは、少年の母親でした。
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