優しい魔王と優しい勇者の悲しいお話
旅人は二人に尋ねました。



「あなたたちは、この村が好き?」



二人は一瞬きょとんとすると、たちまち笑顔になりました。



「大好きっ!」



男の子がそういうと、女の子も負けじと言いました。



「私も、大好きっ。」



旅人は二人の頭を撫でると言いました。



「その気持ちを忘れないで。その気持ちを忘れなければ、きっと幸せになれるから。」



二人は大きな声でうん、と返事をすると、どこかへと走っていきました。
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