あふれる涙
♠♤別れ
「あたしたち、
もう、分かれよう」
サヤとサトルは、
レストランで食事をしていたときだ。
サトルは黙って、
別れを受け止めた。
「あたしたち、まだ友達だよ」
サヤは言った。
「そうだな!
なんか困ってることがあったら、
いつでもオレに言えよ」
サトルは言って、
いつものように笑った。
そして静かに、
最後のデートを終わらせた。
それからでも、
サトルは毎日サヤに電話していた。
最近どう?
家についたか?
ご飯食ったか?
サヤは不思議に思いながら、
それも当たり前のように
サトルのやさしさを受け取った。
___________________________
「あんたと関係ない!!」
サトルは静かに、
「ごめん、邪魔して」
と言った。
彼氏と喧嘩して、
サヤはサトルに
八つ当たりをしてしまった。
一日が過ぎて、
サトルから電話が来なくなった。
サヤはちょっと
不思議に思ったけど、
でもそこまで
深くは思ってなかった。