あふれる涙
プルルルル...
「はい」
電話の向こうから男の声が聞こえた。
サトルじゃない....
「あの...」
まだ自己紹介してないのに、
「あぁ、わかった。
兄貴を探してるんだよな?
ずっと待ってた。
今、時間ありますか?
ちょっと話したいことが
あるんです....」
サヤは何もわからないまま
男の人と約束した喫茶店にやってきた。
そこのはサトルとそっくりな人が居た。
一瞬でわかった。
あれはサトルの弟だ。
確かに..
似てる...
「サトルは?」
最初の言葉が、これだ。
サトルの弟は何も言わず、
手紙を差し出してきた。
「すみません...本当は、
もっと早く手紙を渡す
はずなんだけど...ただ...
どうやって渡せばいいのか
..わかんなくて..今日まで...」
「え!?じゃぁ、2年間の手紙は
全部あなたが書いて出したの!?」
「いや!ただ、兄貴の変わりに
オレが出しただけです」
なんだ..
めんどくさいことして..
口ではそういいながら、
心のなかはすっごく嬉しい...
サヤは手紙を開けた。