パパ
なんで?
なんで、そんなにはっきり浮かんでくるの?
なんで?
アタシによく、似ているの?
身体が冷たくなっていくのが分かる。
身体も動かなくなり、その場に立ち止まる。
…だけど、心臓だけがドクドクと激しく脈を打っている。
「舞依?」
「ねーねっ」
シュウが立ち止まったアタシを振り返り、芽依がアタシの頬っぺたにペチペチと触れる。
芽依の大きな瞳がクリクリとアタシを見つめる。
ダメだ、アタシ…
芽依の前でこんなになって、芽依が心配しちゃうじゃん。
それに、パパもアタシに凄く優しいしママもそんなこと一度もアタシに言ってない。
こんなこと疑ってたら、今までたくさん愛情注いでくれた二人に失礼だよ。
それにその愛情が何よりの証拠だよ。アタシは二人の子供。
一つ深呼吸をし、顔を上げる。
「なんでもない、今日のご飯何か考えてたのっ!!」
そんな分かりやすい言い訳に、怪訝そうにしながらもシュウは「ふーん」と何も聞かないでくれた。