パパ
だけども、ここは心を鬼にして言わなければ、シュウの命がいくつあっても足りない。
「とにかく!!今後一切、シュウに手を出す事は許さないからねっ!!」
それだけ言うと、その場にパパを残し自分の部屋に戻った。
部屋に入ると、芽依とシュウが寝息を立て、ぐっすりと眠っていた。
アタシの部屋にはベッドは一つしかない。かといって、シュウと一つの布団で寝る勇気も、三人が並んで寝るスペースもない。
自分一人で、勝手に赤面しながら、ソファーを倒してそこに寝る。
────だけど、当然寝れるはずもなくて…。
てゆうか、好きな人が同じ部屋に寝てて、寝れる訳がないでしょうっ!!
最初はそうやって、自分の心臓と戦いながら、どうやったら寝れるかと知恵を振り絞っていたけれど、家の中が静まり返ると、またあの男の顔が頭に浮かんできた。
あのねっとりとした視線、少しも好意的と思えない態度。
そして、あの「俺には少しも似てないな」という台詞。
思い出してしまったら、頭の中をグルグルと回させることしか出来ない。