パパ



信じない事だって、あの男の事を忘れる事だって出来たはずだ。



てゆうか、大人の事情に子供を巻き込まないで欲しい、と言うのも本心だ。



だけど、ママのうなだれた背中や、珍しくお酒によっていた事、ママの苦しそうな表情がそれを出来なくしている。



───『守れないかもしれない』って何?



もし、アタシが本当にあの男の子供だったとしても、どうして今頃出て来るの?


一度、ママとアタシを捨てたんじゃないの?



ママやアタシたち家族を、困らせようとするの?



もう平和に、穏やかに、幸せに暮らしたいのに…



どうして、邪魔をするの?



今まで苦労してきた分、アタシたち家族は幸せになれるんじゃないの?



あの男は、一体何なの?



アタシと、パパは血の繋がりがないの?



アタシは、この家の本当の家族じゃなかったの?



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