パパ
公園に着くと、一本だけある街灯の近くのベンチに、二人で並んで腰掛ける。
公園に来るまでは、気を紛らわせるためにも、軽い事を言えたのに、いざ「言わないといけない」となったら、なかなか言葉が出て来ない。
声が、言葉が出ないアタシに、シュウは無言で付き合ってくれている。
春とはいえ、夜はまだまだ寒い。アタシの意気地が無いせいで、シュウに風邪を引かせてしまうかもしれない。
「…あのね、舞依……っ」
『パパと血が繋がっていないかもしれない』
その言葉がどうしても、出て来ない。
口に出してしまったら、それが本当になりそうで、アタシ自信の奥底で、恐がっているのだろうか?
「…っ」
口にする事が、怖い。
悔しくて、怖くて、悲しくて…
いろんな感情が、アタシの中でせめぎあっている。
そんな感情達に負けそうで、自分の意思に反して、目に熱いモノが溢れてくる。