パパ
涙が零れないように、グッと下唇を噛み、下を向いて顔を隠す。
すると、繋いでいた手にギュッと力が加わった。
「舞依子、無理して言わなくても大丈夫だからな?俺は絶対、舞依子から離れないから。」
シュウの言葉で、目に溜まっていたモノが、膝の上にパタパタと落ちる。
───シュウ、本当に大好き。
「…舞依、パパの子じゃないかもしれないの。」
「…っ」
アタシの言った言葉に、シュウが息を呑んだのが伝わった。
「…確証はあんのかよ?」
振り絞った様な声を出すシュウに、今日起こった出来事を全て伝えた。
「舞依は、パパもママも芽依も…家族はみんな大好き。だけど、舞依だけ家族じゃなかったら?」
もし、そうだとしたらアタシは、残りの人生を自分で立って、生きていけるだろうか?
考えただけで、心臓の音が早くなり、涙が出て来る。
「パパにとって、本当に必要なのは、ママと芽依だけだったら?」
だったら、アタシはパパにとって、邪魔で憎い存在じゃないの?