パパ
「舞依、あんな男の子供なんか嫌っ!!ずっと、パパとママの子供がいいっ!!」
「舞依子は俺の子だよ。何があっても絶対に、誰にも渡さない。」
不意に後ろから、温かい身体に抱き締められる。
「祁依子が産んだ子供なんだから、俺の子供に変わりはないよ。」
「パパ?」
後ろを振り返ると、パパが強い目をして、微笑んでいた。
「ごめんね?盗み聞きをするつもりは無かったんだけど…」
そう言って苦笑いをするパパに抱きつく。
パパがとっても大事だって、アタシにはパパが必要だって、伝わる様に。
「秋くんも、君が優しい子でよかったよ、本当にありがとう。これからも娘をよろしくね。」
アタシの頭を撫でながら、自分もシュウに頭を下げていた。
「舞依子、真実を知りたい?」
パパが静かに口を開く。
とても、真剣な目でアタシを見つめながら。
きっと、パパは嘘偽り無く、全てをアタシに話してくれるだろう。
どんな結末になっていようと、ただアタシのためだけに真実を話してくれるだろう。