パパ
それからは、たまに通学中のバスで話す事もあった。
俺達が乗っているバスに、あまり同じ学校の奴らが居ないってのもあったけど、祁依子はいい子だったから話やすかった。
───そして、何より祁依子の笑顔が魅力的だったからかな。
それで、なかなか良好な関係を築いていた。あくまでも、先輩と後輩と言う関係で。
───だけど、いつからだったかな?
祁依子が悲しい顔をするようになったのは。
俺と話す時も、本当に辛そうな顔をするんだ。
祁依子が、二年に上がってからは特に。
だから、俺は祁依子に問いだしたんだ。ちょっと強引だったけど、悲しむ祁依子が見てられなくて。
その頃は、もう俺は祁依子を好きになっていたから、特にね。
問いだしたよ。ちゃんと全てを…
最初は頑なに拒んでいた祁依子も、最後には泣きながら話してくれた。
俺に助けを求めてくれたんだ。
───その頃には、もう妊娠していたんだ。
飯坂との子供を───