パパ



だけど、まだ祁依子も飯坂も高二で学生だし、お金も無い。



それに、自分の両親にも話さなければいけない。



飯坂は子供を産むことに反対したらしい。まぁ、学生だったらそれが当然の答えだと思う。



だけど、祁依子は違ったんだよ。


いや、子供を身籠った女の人はみんな、自分のお腹の子を「いとおしい」と思うんだろうね。



祁依子は絶対産みたいと、強く願ったよ。



想像通り、祁依子の両親は猛反対した。



だって、父親が居ないなんて、産まれてくる子が可哀想だろう?



それに祁依子は、高二になったばかり。



子供を産むなら、学校だって退学だろうし、娘の世間体が悪くなるのは、親としては耐えられない。



こちらも、高校生の親として当然の考えだろう。



だけど、祁依子は断固として、自分の意志を曲げなかった。



お父さんからは、勘当もされそうにもなっていたよ。



< 33 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop