パパ
「秋くん、分かってかな?俺の舞依子に対する愛の深さが。」
しばらくアタシの頭を撫でていたパパが、急に話を秋に振った。
「あ、はい。舞依子は、こんなに素敵なお父さんの子供になれて、幸せですね!!」
「そーだろ、そーだろ♪だから、娘は嫁にやらんっ!!」
…良いパパっての撤回する。
「パパぁー?」
シュウの手を取り、立ち上がらせる。
「パパの馬鹿っ!!今からシュウの家、泊まりに行ってやるんだからっ!!」
「行こう」と、シュウの手を引っ張りファミレスを出る。
少し離れてから振り返ったパパは、灰と化していた(笑)
どんなパパも大好きだよっ。
でも、当分は行ってあげないんだからっ!!
少し明るくなってきた街を、シュウと手を繋いで歩く。
「…シュウ、ありがとうね。」
「何が?」
「さぁ?」
アタシの「ありがとう」の意味が分かっていないシュウに、アタシもとぼけてみせる。
「つーか、マジで俺ん家に泊まんの?」
「はぁ?あんなの嘘に決まってんじゃん。まさか、本気にした?」
「冗談!!あんな話聞いたら、手ぇなんか出せませんよ。」