パパ
「シュウ最悪!!泊まるイコール手を出す、とか思ってたの!?ありえないっ!!」
「はっ!?違うし、さっきのは言葉の綾だっての!!」
ショックじゃない、と言ったら嘘になるけど、心の突っ掛かりが取れたお陰で少し楽になった。
そして、今ここでいつも通りに軽くシュウと言い合えるのは、きっとシュウのお陰。
パパの話を聞いている途中、何度も悲しくて耳を塞ぎたくなった。
だけど、シュウがずっとアタシの手を力強く握っていてくれた。
シュウが手を握っていたから耳を塞げなかった、とかじゃなく、シュウが手を握っていてくれたから、耳を塞がなくて良かったんだ。
シュウと繋いだ右手から、勇気が湧いてきたから。
だから、シュウに
────ありがとう。
言い合いをしながらも、シュウの顔を見ると、やっぱり笑顔になれる。
「シュウはやっぱり、変態だね」
「だから、違うって!!」
「はいはいー」
「あ"ーっ!!」
アタシが言った言葉に、シュウが頭を掻き立ち止まる。
訳も分からず、首を傾げると、シュウの両手がアタシの両肩にかかった。
シュウの真剣な顔に、思わずアタシも顔から笑みがきえる。
いったい、どうしたのだろうか?