パパ



抱き締められた腕の中で、シュウの胸の鼓動が、バクバクと暴走しているのが分かる。



「あははっ、シュウ可愛いー」



「嬉しくないし。」



「はじめて、ちゅうしたばっかりなのに、もうプロポーズされちゃった!!」



「うっさい、ボケ。」



いつもは、アタシに甘くて優しいシュウから、はじめてボケとか聞いた。



本当に可愛い。



そして、世界で一番カッコいい。



「舞依のお母さんみたいに、断るの禁止。」



「えー?どーしよっかなー?」



わざと、意地悪な言葉を出す。



「絶対禁止。」



可愛いシュウも良いけど、やっぱりアタシはカッコいいシュウの方が好きだな。



「しょうがないから、結婚してやるっ♪」



「何、その上から目線?舞依は俺が大好きなくせに。」



「うん、大好きだよ。だから結婚してやる。」



いつもは、素直に好きとか口にしないアタシだから、大好きといった事が、シュウには驚きだったらしく、自滅して更に照れていた。



そんなに可愛くしていないで、カッコいいシュウになってよ。



アタシはカッコいいシュウの方が、可愛いシュウの何倍も、何倍も、大好きなんだぞー。



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