パパ
「…いこ、舞依子?」
「うぇっ!?」
「なんて声だしてるの。いつ帰ってきてたのよ?ママ今から用事だから芽依子のお迎え頼んでいい?」
ぼんやりとしていた意識がはっきりとしてくる。いつの間にか寝ちゃってたんだ、アタシ…。
いつもより、オシャレしたママがアタシの前に膝をついていた。
「舞依子、迎えに行ってくれる?」
「うん…って、何処に?」
芽依はまだ幼稚園にも保育園にも通ってないはずだけど。
何処に、迎えに行けと言うのだろうか?
「おばあちゃんの家よ。」
「ふーん…分かった。で、ママは何処に行くの?」
そう訪ねると、ふふっと幸せそうに笑った。
「パパとデート♪」
「へー、行ってらっしゃい。芽依のことは舞依に任せてよ!!」
「よかった、じゃあ行ってくるから。あ、ご飯は温めて食べてね。」