Ｈ

>4

時間は、お昼時。
腹が減る頃だが、今は辛抱強く我慢だ。
だが、怪しい奴もいなければ、爆薬反応もなし。
正直、暇だ。
それは皆、同じことを思っていた。

そのまま何も起きなく、カズの勘は外れたと思われた。
辺りも暗くなり、今日は撤収。
三人が浅草寺を出た瞬間、大きな爆発音がした。
振り返ると、崩れ落ちていた。

"五重塔破壊"

しかし、爆薬反応はなかった。
デジは頭をかき、大声を上げた。
「っくそ。やられた。」
そんな姿を見て、零時は声をかけた。
「どうしたんだ？」
「電波障害だ。だから、怪しい奴もいなかったのか。」
「どういうことだ？」
「怪しい奴がいれば、無線機を使うだろ。けど、電波障害されていたら使えない。それを気付かせないため、現れなかったんだ。」
デジの顔は鬼のようだった。
それほど悔しかったのか。
カズは辺りを見回し、急いで言った。
「警察が来る前に機器を撤収して、この場から去ろう。」
すぐさまに機器を回収し、その場を去った。
テロも考えてやがる。
くそ。