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ネオは愉快そうに拍手をした。
「よく辿り着いたね。優秀な頭脳を持った君たちには、生きる価値がある。」
その行為が不快に感じたマサは、ネオに殴りかかった。
だが、ネオに殴りかかる前に、透明なガラスに邪魔された。
「無駄ですよ。私とHを守るため、防弾ガラスを境界線上に用意しときました。ちなみに君たち側には、爆薬が浮遊しているから気を付けて。」
そう言って、ネオは椅子に座り、愉快そうに座った。
「さぁ、どうします?」
すると、カズが急に喋りだした。
「浮遊している爆薬は、酸化エチレン、酸化プロピレン。あとジメチルヒドラジン等かな。一次爆薬で加圧沸騰させ、BLEVEで空気中に散布させた。まぁ、燃料気化爆弾。これが正体だろ?」
ネオはまたも愉快そうだった。
「ほぉ。よくわかりましたね。やはり君たちは、生きる価値がある。」
カズはただ説明したのではない。
本当に伝えたいのは、別のことだった。
しかし、マサ以外の皆は気付いた。
零時は言った。
「悔しいが完敗だ。オレらは諦めるよ。出してくれ。」
その言葉にマサはキレた。
「何言ってんだよ。レイジ。」
「オレらの負けだよ。」
「ふざけんなよ。」
マサは零時に殴りかかった。
仲間割れを見ているネオは、まるで王様のような態度だ。
次の瞬間、この態度が激変するというのに。


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