白銀の景色に、シルエット。
 もう消えようと思ったけど、最後の最後まで私に気づいてくれなくて。


 私が死んでから、一度も私の名前呼んでくれなかった事に気づいた。

 もう一度だけ、私を呼ぶ理人の声が聞きたくて。こうしてずっとここにいた。


「李紅、なのか…?」


 そうだよ。ずっと傍にいたんだよ。殺してやりたいって思うほど君が好きで。

 ずっと、心配してたんだよ?


「李紅!」


 やっと、気づいてくれたね。良かった。


「何か言ってくれ、李紅!!」


 無理だよ。私の声は君には届かないもの。


「李紅…!!」


 ありがとう。

 ずっと、笑っててね?


 あの女の子、大事にしてよ。私以上に。


 理人、幸せになって。バイバイ。


*End*


――――――
もし今、突然死んだとしたら
すぐに受け入れられますか?

もっと愛してると言ってれば
もっと恩返しをしてれば

そんな後悔をしない為に
どうか今を一生懸命に
< 21 / 107 >

この作品をシェア

pagetop