悪魔の館へようこそ



「パパとママの
仕事が忙しくて
いつも一人だった。」


朝は早くて夜は遅い。

家に帰って来てくれても
ほとんど会えなかった。


「すっごく寂しくて…。
一緒にいてくれる人を
探してた。」


誰でもいいわけじゃなかった。

最初は。

でも…。


「いつからか
間違っちゃった。
身体だけでいい。
誰でもいいって。」


それから、心にぽっかり
穴が空いたような気がする。

満たされたと思うと
すぐに無くなる。


「間違ってるって
分かってたから。
どうにかしようって。」


そう決めて。


「みんなを呼んだの。」


颯太くん。

宗ちゃん。

…海斗。


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