悪魔の館へようこそ



「…そんなこと知ってる。」


「え?」


知ってるって…何を?

あたしが家族
欲しかったこと?

それとも
遊んでた理由?


「全部全部知ってる。
羅夢といたら
それぐらいすぐ分かる。」


嘘…。

だって、
何も言ってくれなかった。


「…ずっと聞けなかった。
羅夢が…。
羅夢の両親が
離婚したんじゃないかって。」


離婚?

さすがに離婚はしてない。


「羅夢の部屋には
両親と撮った写真が
いっぱいあった。
…けど、羅夢から両親の話
一度も聞いたことなかったし。」


確かに。

話さないって決めてたから。


「心配してくれてたの?」


.
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