悪魔の館へようこそ



親指で涙を脱いながら
微笑んでくれる。

どうして海斗は
笑ってくれるんだろう?

辛く悲しい過去があるのに
どうして?


近付く顔に
もう断る理由はなかった。

優しく触れるだけのキス。


「良いの?」


「うん。」


海斗の首に腕を回して
今度は自分から。

何度も何度も。


今日、
あたしと海斗は
本当の家族になった。

そして、
…恋人の対象に。


海斗が好き。


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