悪魔の館へようこそ



「…守れなかった。
何も出来なかった。」


あたしは本当悪魔だ。

海斗だけでなく
宗ちゃんにも
嫌な想いをさせてしまった。


「ごめんね。
…ありがとう。」


宗ちゃんは優しい。

本当に優しい。

腰に手を回して、
ぎゅっと抱き着くと
宗ちゃんの優しい香りがした。


「宗ちゃん。
俺からもありがとう。」


宗ちゃんの後ろから
ガバッと抱き着く海斗。


「俺はこっちかな?」


あたしの後ろから
抱き締める颯太くん。


みんなで引っ付いて、
微笑んで。

久しぶりに家族というものを
味わった気がした。


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