悪魔の館へようこそ



温かかった。

何もなく誰かと
一夜を過ごすことが
こんなに嬉しいこと
だと思わなかった。

海斗より先に起きて、
歯磨きと洗顔を済ませて
部屋に戻る。


「海斗。」


ベッドに腕を乗せ、
顔を近くで見る。

綺麗ー…。

まつげも長いし。

昔からモテただろうな。


「海斗。」


「ん…、ん〜…♪」


首に腕が回る。

もうクセになってる
んだろうな。


「…あっ。」


目がぱっちり開いて、
腕がパッと離れる。


「今のは…?」


「セーフ。
寝ぼけてたんだから
仕方ないよ。」


「ありがとう。」


.
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