ぎゅっとして
「・・・・・モデルみたいで、すげえいい男だと思ったけどさ・・・・・。大丈夫なわけ?優衣、騙されてない?」


章の言葉に、あたしは目を丸くする。


「何言ってるのよ。彼は、そんな人じゃないよ」


「ふーん・・・・・。なんか心配。優衣って騙されやすそうだし」


「あのね・・・・・弟のあんたにそんなこと言われたくないってば。大丈夫だよ。すごく優しい人だから」


「じゃ、今度紹介してよ」


「え・・・・・」


思いがけない言葉に、思わず固まる。


「今度、先輩のライブで前座やらせてもらうことになったんだ。それ、見に来てよ。彼氏と」


「ライブ・・・・・やるの?」


「うん・・・・・優衣に、来て欲しいと思ってたんだけど・・・・・」


ちょっと照れくさそうに目を逸らすあきらに、なんだか嬉しくなる。


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