ぎゅっとして
ライブハウスの外へ出て。


「びっくりした・・・・・。章、あの人達にあたしのことどう話してるの?」


「話してねえよ。あいつらが勝手に優衣の写真見て、紹介しろって言ってただけ。あんなやつらに優衣を紹介なんか出来るかよ」


「って・・・・・あんたの友達でしょ?」


呆れて言うと、章は肩をすくめて


「それとこれとは別」


と言った。


「それより優衣、もう帰―――」


そこまで言って、章の表情がこわばった。


「章?」


徐々に険しくなる章の表情に、あたしは戸惑いながら、章の視線の先を追った。


そこにいる人物を見て、あたしは言葉を失った。

 
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