ぎゅっとして
「たぶん、彼―――杉浦さんと何かあったんだとは思うの。でも遺書には杉浦さ
んのことには一言も触れてなくて・・・・・だから余計に両親は彼のことを怪し
んでた。結局、自殺の理由はわからないまま・・・・・杉浦さんも、お姉ちゃん
のお葬式以降、姿を見せなくなったの」


「じゃあ、それ以来?」


「うん」


「ふうん・・・・・。それにしては弟くんはずいぶん嫌ってたみたいだけど」


「うん・・・・・どうしてだろう」


本当に、不思議だった。


なんで・・・・・


「・・・・・優衣に、近づけたくないみたいだったな」


慧の言葉にあたしは戸惑った。


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