ぎゅっとして
なんだか恥ずかしくなる。


「そ、そう?」


「うん。慧が自分から誰かの為に何かしてあげてるのなんて、たぶん優衣ちゃんが初めてだよ」


「お、大袈裟だよ」


「そんなことないよ。あいつ、女の子にモテるけど、関わった子はみんな慧のことを冷たいやつだって言ってたよ。まあ、大体が女の子の方の一人よがりだったけど。けど俺も、そう思ったことあったし。あいつ、人の名前も覚えないし」


「そういえば・・・・・」


「基本、自分以外の人間には無関心なあいつが女の子の名前覚えたり、同じ講義とって後ろの席に座ってみたり、その子に気がありそうな男の事気にしてみたり・・・・・俺にも、嫉妬してたからね、あいつ」


クスクスとおかしそうに笑う相馬くん。


あたしはなんて言っていいかわからず、赤くなっているであろう頬を手で押さえた。

 
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