ぎゅっとして
いつも優しかった姉、紗枝。
5年前、あたしは13歳だった。
9歳上の姉は、年が離れていたせいもあって、あたしや弟の章の面倒をとてもよく見てくれて、いつも笑顔を絶やさない人だった。
その姉が結婚することになって、あたしも章も、もちろん両親もとても喜んでいたのだ。
そんな、あたしたち家族にとってのささやかな幸せが、ある日突然音を立てて崩れた。
姉、紗枝の自殺。
それは、結婚式を1週間後に控えた日のことだった。
ウェディングドレスに着替え、きれいに化粧までした姉は、新居となる予定だったマンションの1室で首を吊って死んでいた。
5年前、あたしは13歳だった。
9歳上の姉は、年が離れていたせいもあって、あたしや弟の章の面倒をとてもよく見てくれて、いつも笑顔を絶やさない人だった。
その姉が結婚することになって、あたしも章も、もちろん両親もとても喜んでいたのだ。
そんな、あたしたち家族にとってのささやかな幸せが、ある日突然音を立てて崩れた。
姉、紗枝の自殺。
それは、結婚式を1週間後に控えた日のことだった。
ウェディングドレスに着替え、きれいに化粧までした姉は、新居となる予定だったマンションの1室で首を吊って死んでいた。