ぎゅっとして
夜の静かな公園で、あたしは章に買ってきてもらった紅茶を飲みながら、ほっと息をついていた。


今頃はまだ、警察が杉浦さんのマンションを調べている頃だろう。


「全く、無茶するよ、優衣は」


章の呆れたような言葉に、あたしはちょっと頬を膨らませる。


「だって、ちゃんとついてきてくれてると思ってたんだもん」


あたしの言葉に章は溜め息をつき、慧は困ったように苦笑していた。


あたしは始めから杉浦さんのことを信用してはいなかった。


お姉ちゃんが自殺した原因は彼にあるはず。


そう思っていたあたしは慧に相談した。

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