ぎゅっとして
「パパとママはずっと、これを隠してた。姉さんが杉浦に絶望して自殺したって思いこんでたんだ。でも俺はそうは思わなかった。優衣のことあんなに心配してたのに、優衣を残して自殺なんかするわけない。だから、警察に行ったんだ。もう一度調べてくれって。最初は相手にされなかった。だけど何回も通いつめるうちに話を聞いてくれるようになって・・・・・。ただ、もう死体解剖は出来ないし、杉浦の行方もわからなくなってて・・・・・。事件を立証するのは難しいって言われたよ」



章の話を、あたしはただ呆然と聞いていた。


章がそんなことをしてたなんてちっとも知らなかったから・・・・・


「どうして言ってくれなかったの?」


あたしの言葉に、章がちょっと困ったような顔をした。


「優衣にはその遺書を見せたくなかったんだよ。きっと気にするだろうと思ったから」
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