ぎゅっとして
「杉浦さん、逮捕されるのかな」


あたしの言葉に章は肩をすくめた。


「さあな。姉さんの遺書と日記を見れば姉さんが死ぬ気なんてなかったってわかってもらえると思うけど・・・・・あいつが素直に自供するかどうか」


「自供しなかったら―――」


「やっぱり自殺だったってことで片付けられる可能性はあるよ。証拠はない。時間が、経ちすぎてるんだ。あの時―――すぐにもっと調べてれば、何か違ってたかもしれないけど―――」


悔しそうに顔を歪める章。


いつの間にか、大人っぽく、逞しくなった弟をあたしは不思議な気持ちで見つめていた。

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