ぎゅっとして
初めて行く、慧の家。


教えられたとおりの道を時々迷いながら進み、着いた先にあったのは、思わず目を疑いたくなるほどの大豪邸だった・・・・・。


世界的に有名なジュエリーデザイナーの家だ。


きっとすごい家なんだろうなと予想はしていたけれど。


これは予想以上だ。


―――どうしよう。


思わず躊躇してしまうが、慧に呼ばれて来たのだから、ここで引き返すわけにはいかない。


圧倒されるような大きな門の横にあるインターホンのボタンを押す。


『―――どちらさまでしょうか』


無機質な、女性の声にあたしはごくりと唾をのむ。


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