ぎゅっとして
浮かない顔の慧。


その人に何か問題があるんだろうか。


そんなことを考えていると、慧はあたしの顔を見て、ふっと笑った。


「別に、その人がどうこうってことじゃなくて」


「あ―――そうなんだ」


なんであたしが考えてることわかったんだろう・・・・・。


「―――問題は、母親の相手じゃなくて」


そう言うと、慧はあたしからすっと視線をそらせた。


どくんと、胸が嫌な音を立てる。


―――何・・・・・?


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