ぎゅっとして
「った！何すんの、慧」


「お前ら、さっきから何やってんの。ごみの山作って」


言われて見てみれば、あたしと美玖の間にはメモを丸めた紙の山が出来上がっていた・・・・・。



岸本慧とはこの大学で知り合った。


無口で無愛想。


それが第一印象だった。


入学式で意気投合して友達になった美玖は『超カッコイイ！』なんて言ってたけど・・・・・


確かにきれいな顔はしている。


さらさらの柔らかそうな髪はちょっと栗色がかってて、男にしてはきれいな白い肌にも合っていたし、茶色い瞳は透き通るようにきれいで、またそれにかかる前髪が不思議と鬱陶しく感じなかった。


きれいに通った鼻筋に薄い唇。


背もすらっと高くて足も長い。


モデルみたい、という美玖の言うとおり、人目を引くだけの魅力はあるようだった。
　
　
< 3 / 225 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop