ぎゅっとして
「かわいいよー、優衣にそっくり」


「あたし?あたしなんて別に、かわいくないし」


「かわいいって。優衣って自分のことわかってないよねー。ほら、あの藤村君も優衣に気があるっぽいしさ」


「ああー、やめて、その名前!」


そう言って耳を塞ぐあたしを見て、美玖がげらげらと笑う。


「そんなに嫌いなのー?かわいそー、藤村君。彼、顔はいいと思うけどなあ。一部の女の子には絶大な人気じゃん」


「そういう問題じゃないの。あいつのあの、人を嘗め回すように見るあの目!も~~~気持ち悪くって!」


「は~~~なるほどね・・・・・。かわいそうに。優衣ってさ、かわいいけど宇宙的に鈍感だよね」


「何それ。何であたしが鈍感?」


「それがわかんないとこが鈍感なんだってば。ま、そこが優衣のかわゆいとこだけどね~~~」


・・・・・だじゃれか。


< 37 / 225 >

この作品をシェア

pagetop