ぎゅっとして
「優衣」


後ろから聞こえてきた声に、あたしの胸がどきんと音を立てた。


振り向くと、そこには慧の姿が。


「あ・・・・・おはよう」


「お前・・・・・大丈夫か?」


「ああ、うん、全然。ごめんね、昨日は」


「別にいいけど・・・・・」


そう答えながらも、何か腑に落ちない様子であたしをじっと見つめる慧。


なんとなく居心地悪くって、慧から目を逸らしてしまうあたし。


気まずい沈黙が訪れ、どうしようかと思っていると、後ろから肩を叩かれる。


「何してんの?お前ら」
 
< 38 / 225 >

この作品をシェア

pagetop