ぎゅっとして
振り向くと、そこには相馬くんが立っていた。


「あ、おはよ」


ほっとして微笑むと、相馬くんも笑顔になる。


美玖と中学校が一緒だったという相馬くんは、小柄で目のパッチリしたソフトな印象の優しい男の子だった。


「美玖、来てる?」


「あ、さっき見かけたよ。あのさ、優衣ちゃんに頼みたいことがあるんだけど」


「あたし?」


「うん。ちょっといい?」


手招きされて、その後について行く。


後に残った慧が溜め息をついていたことに、あたしは気付いていなかった・・・・・


 
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