ぎゅっとして
講義室に入り、いつもの席に美玖の姿を見つけ、隣に座る。


「何してたの?」


不思議そうな美玖の問いに、あたしはそっと美玖の傍に寄り、耳打ちをした。


「あのね、相馬君が今度4人でどっか行こうって」


「へ?相馬っちが?・・・・・え、もしかして相馬っちって優衣のこと好きなの!?」


突然大きな声を出した美玖の口を、慌てて押さえる。


「ち、違うってば!そうじゃなくて!!」


「そこうるさい!」


講師の先生の怒声が響き、あたしたちは一緒に小さくなる。


「もう、美玖ってば声大きい」


「ごめんごめん。で?4人て、あと1人は?」


「・・・・・慧」


そう言うと、美玖はピンと来たようににやりと笑った。
< 42 / 225 >

この作品をシェア

pagetop