ぎゅっとして

「優衣ちゃん、おはよう！！」


満面の笑みであたしを迎えた藤村に、あたしの顔は引き攣った。


「お・・・・・はよ・・・・」


そう言いつつ、あたしは藤村の後ろにいる相馬君を見つけた。


藤村の横を通り、気まずそうにあたしから目を逸らした相馬君に掴みかかる。


「ちょっと！何でこいつがいんの！！」


もちろん後ろの藤村には聞こえないように、耳元でこっそりと叫ぶ。


「いや、ちょうど慧とその話してたときに聞かれちゃってさ・・・・・」


相馬君の言葉にがっくりする。


何でよりによって藤村に聞かれちゃうかな・・・・・。


クックッと、喉の奥で笑うような声が聞こえてきて・・・・・


そっちを見ると、相馬君の横で慧が横を向きながら笑いをかみ殺していた。