地球最後の24時間
第十三話
ほとんど車を見かけなくなった中国自動車道に、夕闇が迫ってきていた。ライトを点灯させると、やや見づらくなっていたスピードメーターがその文字を浮き上がらせる。
(失敗したな……)
実はさっきからそんな後悔の念に駆られている。喉が渇いて仕方ないのだ。
(なぜ気が付かなかったんだ)
コンビニでも、バイク屋でも、寄った時に水分を補給しておけば良かった。考えたら朝一口コーヒーを口に含んだだけだった。その上、ここ何年もないほど走り回ったのだ。
バックミラーにライトが反射した。
光源がひとつであるところを見ると、おそらくバイクだろう。そしてそれは猛烈な勢いで迫り、風圧を押し付けてあっと言う間に抜き去って消えた。
真っ黒なカウリングに覆われた、確かカワサキのモンスターバイクだ。
(やっぱ足の速いやつが良かったかな……)
ふとそんな思いも頭をよぎる。
しばらくするとパーキングエリアの標識が目に留まった。時間は惜しいがこれ以上水分を失えば危険だ。迷わず進入路へ入った。
トイレが一つ、ぽつりと佇むだけの寂しいパーキング。そこにバイクが一台だけ停められていた。さっき追い抜いていった黒いバイクだ。
(失敗したな……)
実はさっきからそんな後悔の念に駆られている。喉が渇いて仕方ないのだ。
(なぜ気が付かなかったんだ)
コンビニでも、バイク屋でも、寄った時に水分を補給しておけば良かった。考えたら朝一口コーヒーを口に含んだだけだった。その上、ここ何年もないほど走り回ったのだ。
バックミラーにライトが反射した。
光源がひとつであるところを見ると、おそらくバイクだろう。そしてそれは猛烈な勢いで迫り、風圧を押し付けてあっと言う間に抜き去って消えた。
真っ黒なカウリングに覆われた、確かカワサキのモンスターバイクだ。
(やっぱ足の速いやつが良かったかな……)
ふとそんな思いも頭をよぎる。
しばらくするとパーキングエリアの標識が目に留まった。時間は惜しいがこれ以上水分を失えば危険だ。迷わず進入路へ入った。
トイレが一つ、ぽつりと佇むだけの寂しいパーキング。そこにバイクが一台だけ停められていた。さっき追い抜いていった黒いバイクだ。