地球最後の24時間
(確かに……)

 度重なる転倒にダイブに銃撃戦だ。いくら丈夫なライダーズジャケットとはいえ、ほころびを隠せなかった。

「まあな」

 思い返せばよく生きてる。自然と自分の悪運の強さに苦笑した。

「水、ありがとう。もう行かなきゃならん」

「ああ、そうだね。気をつけんだよ」

「あんたもな」

 あっさりとした別れを済ますと俺も男もヘルメットを被ってエンジンをかけた。先に出たのは俺だったが、本線に入るや再び豪快に追い抜かれる。

 男は手を挙げ、獰猛なパワーを誇示するかのような轟音を残して視界から消えた。

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